涙が枯れるまで泣いたら |
夢を見た。瓦礫の中、みんなが倒れていて、そしてそこに…… 声にならない悲鳴を上げたところで目が覚める。そんな夢。なぜこんな夢を見てしまうのか。自分の中に懼れがあるから、ならいい。それなら構わない。でも、もし。 「待ってて、すぐにみんなを呼んでくるから!」 ようやく戻ってきた時には既にアレンくんはそこにはいなくて。どんなに後悔してもあの時アレンくんの側を離れなければ良かったとどんなに思ったって、今ここにアレンくんがいない事実は変えようがなくて。 「それに……」 私がついていたとしても、アレンくんを守れたとは正直思えない。 「でも、もしかしたら」 アレンくんを連れて逃げることはできたんじゃないか。そう思えてしまって……何度も何度も後悔ばかりが押し寄せる。あの夢が重なって、最悪なことばかりが浮かんでくる。 瓦礫の中に立ちつくす私…… 「生きて?」 重傷で、意識がないとは聞いたけど、それでも生きていると報告が入ったのがつい先ほど。生きてたって聞いただけで涙がこぼれてくる。ここ何日かでいったいどれだけ泣いただろう。もう一生分の涙を流し尽くしたかも知れない。 それなら、きっとアレンくんはここに戻ってくると信じよう。とぼけた表情で、少しオドオドしながら、心配かけてすみませんでした、と頭を下げるだろうアレンくんを待っていてあげよう。 だから、シャワーで涙は全部流してしまおう。もうひとりで泣いたりしないように。 「アレンくんは生きてる! だから、大丈夫!」 自分に、そう言い聞かせて。 fin |
リナリーちゃんがアレンくんを思って泣いてるシーンが結構続いたので、そんな話。 イメージ描写だけでストーリーも何もないんだけど。 |