Treat
「ったく、菜織の奴にも困ったもんだ」
 寝室に入るなり正樹が溜息をつく。
「ふふ、でも楽しかった
 微笑んでいる乃絵美を抱き寄せる。立ったままでの口づけ。角度を変えて次第にキスを深くしていきながらベッドの縁に腰を下ろす。半分覆い被さるようにしながらのキスに乃絵美が体勢を崩すと、そのままベッドの上に押し上げてしまう。
 うっすらと上気した頬にチュッと音を立ててキスを落とすと再度口唇をあわせていく。乃絵美の唇を舌で割ると性急すぎるくらいに口腔内を蹂躙していく。舌を絡めて吸い上げ軟口蓋をくすぐってまた舌を絡めていく。同時に右手で未だあまり大きくはならない乳房をヤワヤワとまさぐって左手ではうなじを刺激して一気に乃絵美を高めていく。
「やっ……ん、お兄、ちゃ……ん」
 イヤ、と言いながらも乃絵美の抵抗はほとんどない。軽く身を捩るのも逃げようとしていると言うよりは官能を持て余している感じだ。
 セーターの下に手を差し入れるとキャミソールのツルツルとした手触りが気持ちよくてサワサワと何度も手の平で撫で回す。セーターを脱がせると背中に回した手でブラジャーのホックを外してスカートとソックスを取ると、キャミソールとパンティだけに剥いてしまう。薄い生地を持ち上げている柔らかい乳房の先端がうっすらと透けて見えているのが妙にイヤらしい。



 そして、甘い甘い夜。
ごちそう。いたずらも試す?